2017年01月22日

栄光の架橋

目下、娘は中学受験の真っ只中である。

滑り止め、と言うのは全くおこがましいのだが、
ここは受かっておきたい、という学校の試験が1月中に2校あった。

最初の入試は約1週間前、某女子校。
付き添った父親とは、往路の電車の中ではろくな会話も成立せず、
学校の入り口で、激励に訪れていた、本人が大いに尊敬する塾の先生を見かけたにもかかわらず、
挨拶のためにそちらに足を向けることもせず、
娘は父親の手から受験票をひったくるようにして受験会場に消えていった。

愛想がないのはいつものことなので、その時はあまり気にせずにいたのだが、
結果は不合格。厳然たる不合格であった。

もちろん何より実力不足が原因なのだが、
あの態度が緊張の表れだったと気づいた時には遅すぎた。

そして一昨日は2校目の入学試験。
4000人近い受験生を収容するため某国際見本市会場で行われた試験当日は、
早朝小雪もちらつくほどの寒さであった。

会場に向かう道中は1週間前と同じような雰囲気…
親としてもこのままではマズイとは思うのだが、気の利いた言葉も見つからずなすすべなし。
楽しそうに談笑しながら会場に向かう他所の親子を横目に、
半ば諦めつつ会場入り口直前に達したその時であった。

居並ぶ様々な塾の激励の列の中から、
娘の通う塾の、なんと塾長先生おん自らのお姿が!

「はい、ちょっとだけ握手しましょうね。よく問題を読んで、しっかり解いてね!」

なんの変哲もないように聞こえるこの一言が、魔法の言葉となった。

「うん」と小さく頷きながら先生の手を握り返す娘。

「うん」じゃなくて「はい」だろう! と言うツッコミもこの時ばかりは封印する。
この瞬間、それまで娘を包んでいたピリピリした空気が一変、
父親の「元気でね」といういつもの一言にも、娘は目を合わせて頷きながら会場内に消えて行った。

先生は偉大である。

お陰様でなんとかこの学校の合格をいただき、
結果はどうあれ、2月のチャレンジ校に思い切り挑戦する状況が整った。
感謝の言葉もない。

娘は最近、小学校の合唱で知った、ゆず「栄光の架橋」がお気に入りである。
塾の帰りの車の中で飽きもせずに聴き入っている。

今日一ついただいた合格は、紛れもなく君が、君の努力で、君の力で勝ち取った栄冠だ。
心から祝福を贈る。

でも君は、「たくさんの支えの中で歩いて」いるんだ。
そのことを忘れないでほしい。




posted by いつかはシャマル at 23:55| Comment(0) | 子供 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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